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「げぇっ・・」
「……………」
おおっと本音が出た。
だが、問題は無さそうだ。なぜなら、こいつの耳は便利な耳。都合の悪いことは一切聞こえない、ほら相変わらずの馬鹿そうな笑いを溢しているではないか。
だから、アレン。俺にさっさと相手をしろ的な視線を向けるのはヤメロ。
「いいよな!!!」
鼓膜が痛い。
「いいよ、だからさっさと乗ってくれないかなぁ」
「おう!!」
あー、アレンがキレかかってるな、
言葉が少し毒味かかってきている。
さらに、あいつが乗り込もうとしたのは俺たちのすぐ後ろ。
勘弁してくれ。
「お、お客様此方にお乗りください」
見かねたスタッフが、ようやく口をはさんでくれたが、
「オレはここがいいんだよ!!!」
「そ、そ、そうですか。申し訳ありません、、」
まあ、聞くわけもなく。
怒りよりも呆れが勝ってしまって、何かもうどーでも良くなってきた。
しかしながら、このままでは己の耳の危機である。
確か、、ここにあったはず。
ポケットにいつも入れている耳栓(最新型)を取り出し、素早く耳に入れ込む。
ついでに不機嫌丸出しのアレンにも渡した。
「おい、これ」
「シフォン、大好き」
「気持ちわりぃ」
「えー」
「それでは出発いたします」
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