第1章 目覚める力

4/35
前へ
/35ページ
次へ
伊織は朝食であるバタートーストを一気に頬張って食べると、遅刻しちゃうと言い家を出ようとした。伊織が慌てていると、私も行くと愛奈がソファーから飛び起きて伊織と共に家を出た。 伊織は電車を乗り継いで四十五分かかる私立星空学園高等学校に通っている。また、愛奈は伊織の高校の中等部である私立星空学園中学校に通っている。二人はの学校は同じ敷地内に存在するので、愛奈が進学をしてから一緒に登校をしている。 「お兄ちゃんは今日も寝坊をしていたけど、また変な夢を見ていたの?」 愛奈は伊織に心配そうな顔をしながら伊織に顔を覗き込んでいた。伊織はその愛奈に対して、最近変な声が時折頭の中に響くんだと返す。 「変な声ってどんな声がするの?」 愛奈が続けて聞くと、伊織が聞いていると気持ちがよくなる声なんだけどね言う。 「鈴が鳴るような綺麗な声なんだけど、その内容がお願い目覚めてって単語ばかりで聞いていると怖くなるんだ……」 そう伊織は自身の額を右手で抑えながら愛奈と共に歩く。すると、地元の東都駅に到着をしたので、二人で電車に乗って学校がある星空学園駅に向かった。星空駅は学生街と会社街に東西で分かれている駅であり、東側が学生街で西側が社会人街である。伊織と愛奈が東側から出ると、そこには既に多数の学生たちが歩いていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加