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どきどきと心臓がなる
今日は付き合って初めて、彼が私の家に来ている
なぜドキドキしているかというと
彼が家にいるからというのは勿論なのだが
ある挑戦を試みているからだ
それは 手料理
彼女が料理上手なら最高じゃない?
あなたの彼女は普段から自炊をする
できる女の子ですよ!アピールをしなくてはならない
将来性を考えて…(ニヤニヤ)
なんて気が早い私
時計の針は昼の12時半を指していた
よし…今だ行けっ!
「お昼私が作るね!」
「お、まじ?できんの?」
「いつも作ってるから!まかせて!」
ばっちりウインクまで飛ばして
できる彼女アピール
この料理が今後の二人の関係を左右する…かもしれない
激マズ料理を作ったら、お別れも近い
そのくらい料理は大事だ…
「ぜっっったいにキッチンに来ないでね!」
「?」
鶴の恩返しの如く絶対にキッチンを覗かないよう促し、部屋のドアを閉める
作るものはもう決まっている
やはりここは万人受けするであろう
curryrice(ネイティブ)
予め炊いておいたご飯をお皿によそる
うんうんと満足にうなずく
そしてその上に
予め作り置きしておいた
と見せかて
たった今電子レンジで温めたレトルトのカレーをかける
うんうんと満足にうなずく
ハッとうしろを振り返る
よかった彼は覗いていない
安堵のため息をこぼす
全く料理ができないなんて言えない
ここから最後の隠し味を入れる
萌え萌えキュンとはいかない
「おいしくなぁれっ!」
「なんか言ったかー?」
はっ
「な、何も言ってないよー!」
危ない危ない
変な子だと思われるところだった
さあcurryriceが完成した
食べてもらわなくては
ドアを開ける
「実はカレー作っておいたんだ!」
と嘘をつくところからスタート
可愛い嘘だよね うんうん
「うっわ!めちゃくちゃいい匂いする!」
でしょでしょと鼻を高くする
「…美味い!店出せるよ!」
店出てるよ!と言いかけて飲み込む
とても美味しそうにカレーを食べるかれ
だ、ダジャレじゃないよっ!
それにしてもこの反応、カレーにしてよかった♪
ああ、レトルト様様
あなたにハズレはありませんっ!
レトルトに私の愛を込めたら
最強の料理ができちゃうってわけよ(ドヤ)
時短にもなるし、頼っちゃうよねぇ!
できる彼女!私!ニセモノなんて言わせないんだからっ!
「今度うち来た時はパスタ作ってあげるね!」
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