第三章

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 疲れのせいか半分眠気で記憶がしっかりしていない私が目を覚ましたのは、勇輝が車を止めたから。 目がしっかり開いた時、目の前の光景を疑った。 そこは高級そうな店構えで私の脳が光景に追い付かない。 「勇輝君、ここって……」 「大丈夫。俺のおごり。少しは金持ちのすねをかじらせて」  勇輝はそう言うが、きっと貯めていたお金で準備していたのがわかる。 私より先に降りて財布の中身を確認している。 でも甘えることにする。 隠しながらも喜ばせてくれる勇輝の気持ちを素直に受け止めたいから。
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