第四章

5/30
前へ
/139ページ
次へ
 夕飯も食べ終わり、私はケーキを乗せる皿を出す。 「美紗子、どっち食べたい?」  勇輝がケーキの箱を開くと、フルーツタルトとショートケーキが入っていた。 違う種類を買って、選ばせてくれるのも勇輝の優しさだった。 「勇輝君は?」 「どっちでもいいよ。フルーツ好きだからって思ったけど、一応念のためだから」  確かにタルトには私の好きなフルーツがたくさんだった。 「じゃあ、こっちで」  久しぶりのケーキに心を躍らせていた。 「美紗子、嬉しそうで良かった。買ってきて正解だったな」  何にもない一日。 でもその一日をどれだけ楽しく過ごすか。 勇輝はその一日を輝かせてくれる。
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加