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新入生用の説明資料を作り終えて私は帰る支度をした。
「お疲れ様です。お先に失礼します」
鞄に荷物を入れる私より先に小澤が職員室を出ていく。
あれから小澤とは普通の会話をする。
ぎこちなさは残るが。
一度息を吐き鞄を持って私も職員室を出た。
腕時計は六時半を指している。
時計を見ていると息が詰まる。
まただ。
やっぱりいる。
見なくてもわかるのは足音。
最初から今までずっとこの足音が私の耳に響いてくる。
最初の日から一週間。
三月に入った今でも仕事の帰り道が怖い。
その証拠に手が震えていた。
駅に行くとなくなる気配。
足を止めることすらできなかった。
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