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目の前に湯気の立つ紅茶が置かれた。
「落ち着いた?」
ソファに座る私の横に来た勇輝は優しく頭をなでる。
小さく頷くと心の中で自分がコントロールできるようになったのがわかる。
うつむく顔をあげるのは力のいることだった。
そんな私を見て勇輝は私を抱きしめてくれた。
何も言わずに。
腕の中は温かかった。
温かさが固まったままの唇を動かした。
「怖かった」
私が一言呟くと勇輝は顔を見るために私から体を離す。
「何があったの?」
心を開放するのは今だった。
勇輝の顔を見て思う。
頼りたい。この人を。
「あのね」
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