第四章

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 明るいうちに家に帰された私は一人、部屋のソファに座り込んでいた。 膝を抱えて明るい部屋にいるのは孤独を感じる。 恋愛感情が人を狂わせてしまう。 いい人だったのにいつしか偽りのような姿になってしまう。 恋愛は輝かしいものに見えて残酷だ。 青春と言える頃が一番恋愛としていいのかもしれない。 思うままに動いていつでも別の道に進める。 でもそれは偏見できっと青春の中にも酷なことはあるのだろう。 私が体験した青春も最終的に儚く散った。 それでも憎めないのはなぜだろう。 青春という言葉のせいなのか。 それとも美化したいだけの思い出なのか。 答えはわからない。きっとこれからも。 「たい……」  一人の名前を呟きかけた時、電話が鳴った。 思い出に浸り過ぎた私は首を振って携帯を見た。 勇輝からの電話でなぜか焦った私は急いで耳に当てた。 「もしもし」 「あ、美紗子。家に行っていい?」 「仕事は?」 「あ、終わったら。美紗子の声聞きたいから重要なところ忘れてた」 「何それ」  思わず笑う私は気づいた。 もしかしたらこれも勇輝なりの愛情表現なのかもしれない。 「じゃあ待ってる」  電話を切った後、笑っていたいはずなのに罪悪感が生まれた。 勇輝がいながら過去の恋愛を振り返ってもいいものか。 でも考えれば悪いことは一つもない。思い出としてとっておけるならそのままで、経験と考えれば活かせばいい。 今私が考えるべきことは安全だけ。 私と生徒と職場の安全を。
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