ゼロの物語

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ゼロの物語

 ため息が快晴の空に消えていく。 私は今日、何度目かの謝りをして過ごした。 改まって言われるのは好きじゃない。 それでも謝ることしかできない私は快晴でも気分は憂鬱だ。 人の感情や行動を変えてしまうもの。 私が謝る理由。 それは恋という魔法。 どうして人は恋をして苦しむのだろう。 告白はフラれる方は辛い。 それはわかっていてもその恋に私は応えられない。 恋愛は美しいもので残酷なものだと快晴の空を見上げながらもう一度ため息をついた。 ため息をつくと同時に頭に重たいものがいきなり当たる。 「いたっ」  後ろを見るといたずらが成功したと嬉しそうに笑う私の幼馴染の岡本大樹がいた。 「美紗子、必ず反応して面白いよな」 「もう高二なのにいつまでいたずらしてるのよ」  返す言葉は強気なのに心の中では他の女の子にもしているのか聞きたくなる。
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