時の囚われ

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 針は回る。  1日に24周。それを頼りに皆、時を過ごす。   私はそれに囚われている。  眠ってから針が7回程度回れば目を覚まし、それから十数回まわれば再び眠りにつく。   人々はそんな生活を繰り返す中で成長し、廃れていく。  世の流れの中で誰もが一度は思ったことがあるだろう。目覚めの時、晴れぬ頭で「あと5分」  時が有限であることなど意識することもなく、微睡み《まどろみ》へと落ちていく。眠る時には朝は余分に寝ようとしていたくせに「あと5分」と眠ることを拒む。  私はそれをずっと見てきた。今の主人(あるじ)が生まれるよりもずっと前から1日たりとも休むことなく。
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