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 始まりと終わりの街。 その街はそう呼ばれていた。 ――グレネデン・シティ。  大海間を行き来する船の集まる、巨大な港。 大陸を東西に貫通する弾丸鉄道をはじめ、各所を結ぶ幾つもの鉄道の発着する一大ターミナル駅。  旅はここからはじまり、ここで終わる。 荷も人も、必ずここを通過する。  欲望と絶望と、わずかな希望を携えて。 旅人はみな、この街から出発するのだ。 ――なんて日だ。 馴染みの賭場で、スッカラカンに負けた。 有り金を毟り取った後のカスになった俺はいらないとばかり、適当に追い出される。
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