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 生前の最後の記憶は今日の朝のことだった。 7時、毎日その時間になる目覚まし時計を止めて二度寝をする。それが俺の日課だった。誰が聞いているわけでもないのに「あと5分」なんて言って二度寝をしてしまう。そんな意志の弱い人間が俺だった。  結局、二度寝をしたところで何かが変わるわけでもなく、時間ギリギリに登校し、なあなあにその日を浪費する。そんな生活を送っていた。  今朝も同じように一度目を覚ましてから、起き上がる気力が湧かず二度寝をしていた。そして気づけば魂だけになり見たことのない世界を漂っていた。  初めは夢かとも思った、というか今でも夢なんじゃないかと思っているが、少なくとも自分が死んでしまっているという事は本能的に理解していた。
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