カウント5 姉さんの真実②

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 未海も咲良と同じく、忘れようとしていたあの日の光景を思い出していた。 「父親にやられたんですか?」  未海の言葉に驚いた表情をする和美。  言わずともそれが答えだった。 「あんたら、何か知ってるの?」  腕を組み、険しい表情でみのさんが言った。 「たまたまだったんですけど」  未海はそう切り出し、自分達が目撃したことを話した。 「変なとこ見られちゃったね」  和美はそう言って苦笑いし、隣に立つみのさんに目配せをする。  そこまで見られていたのなら隠す必要も無いだろう、という表情。  みのさんは険しい顔をしたまま咲良と未海を見ていたが、はあ、と溜め息を付き、仕方ないね、と言った。 「この子は、父親に暴力を振るわれてるの。いわゆる、DVってやつ」  みのさんはそう言って、耳に付けた三日月のピアスをこすり取るみたいに指で触った。  そうすることで、自分を落ち着かせようとしているようだった。  和美が、みのさんの後を引き継ぐ。
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