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助けて!
我慢できない
もう駄目かもしれない
ごめんね……
向かう途中に何度も彼女からの悲痛なメールが届く。それを見る度に、俺は不安が募り最悪なことばかりを考えてしまう。そして、その予感は的中し悲しいまでの現実を俺は目の当たりにした。
よろよろと足取り弱く彼女に近づいていく。もう絶望しか俺にはなかった。遅かった。どうしてもっと早く会いに来れなかったのか、あと5分早く着いていれば……
「今度こそ、このデザートを食べたらダイエットするんだ……」
決意とこれから味わう美味への期待を胸にパフェを見つめる、ダイエット中の彼女の飲食を止められたのに。
逃れられない脂肪フラグを打ち立てた。
正面に座れば、パフェに釘付けだった彼女の瞳が俺を見て罪悪感で揺れはじめた。そんな顔はさせたくはない。だから、
「いいよ。ダイエットは明日からで」
俺のいろんな意味での甘い言葉は、彼女のためにはならないのかもしれない。
一生付き合いができるのは脂肪かそれとも俺か、そんなことを考えながら幸せそうに口一杯にパフェを頬張る彼女を優しい気持ちで見守った。
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