中学時代

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中学時代

ボクは地元では難関の進学校である中学に ひとみちゃんは音楽専攻のある私立中学に それぞれ進学した 学校は遠く離れていた お互い それぞれの道に向かって勉強した ほとんど会う機会もなかったけど たまに ひとみちゃんは ボクの家に 遊びに来た ひとみちゃんのママ と ボクのママとは ボクたちが保育所だった時からの友だちで 夏はお互いの家族ぐるみでキャンプしたり 休日には みんなでドライブやランチした 中学生になった ひとみちゃんは美しくて ボクなんか恥ずかしくて並べない気がした ボクには姉ちゃんがいて ひとみちゃんは 弟がいたから ボクは弟のリクに話しかけ ひとみちゃんはボクの姉ちゃんと話すよう なんとなく そんな感じに 仕向けていた 中学3年の夏休み 恒例のキャンプの夜中 ボクは虫の声を聞きながら星を見ていたら ひとみちゃんが静かに近づいて来て言った 「私 レイちゃんのお嫁さんになれる?」 「えっ?今でも そんな気持ちあるの?」 ボクは正直 驚いて ひとみちゃんを見た 背の高さが同じくらいの ひとみちゃんは ボクをジッと見て ボクにキスしてくれた ボクは 胸はドキドキ 頭はグルグルして 何の返事もできなくて 全身硬直していた 「私はずっと そのつもりよ きっとよ」 ひとみちゃんはボクに左手の小指を出した ボクは震える左手の小指を そっと出した 「指切りゲンマン嘘ついたら針千本飲ます 指切った」 ひとみちゃんは強く指切りして走り去った
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