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『コウカイ』
私が目を開けると、そこは教室だった。
高校の同級生達が騒ぎ声が、教室の外まで広がる。
嘘だ。
とっくの昔に高校は卒業したのに。
親友の舞(まい)がこっちに駆け寄ってくる。
私が知ってる今の舞よりもきゃぴきゃぴしていて、まだ子供のようだ。
「ねぇ、この後行くでしょ?
卒業パーティー」
卒業パーティーと言っても、ただの女子会だ。
カフェで喋って終わり。
あの日は最後にみんなで泣いたっけ。
記憶はある。
これは夢なの?
「ねぇ、千夏(ちなつ)聞いてる?」
目の前の出来事と風景に頭が追いついて行けない。
「ごめんごめん。
行くよ」
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