1人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
桜の咲く頃に…
花が咲いた頃、僕等の夢がかなった。
「この場所か…」
三月十四日、ある村で奇怪な事件が起こった。
「…神隠し?」
僕は老婆に尋ねると、老婆は嗄れた声を出しながらお茶を啜った。
「そうじゃ…。百年前に起きた事件…。あれは…今でも忘れん…」
「……」
…この婆さん、百歳以上なのか?
「この村には言い伝えがあった。この村には異界と繋がる穴があると…」
「…異界ですか?」
異世界にいける穴か…。まぁ、昔話とかで割とある設定か…。
「…お主は信じるか?」
老婆は片目を開けて、僕の目をじっと見た。
「…なんともですね。…ただ、その話が今回の話となにが関係あるんでしょうか?」
僕はこの村の特産品について聞いたのに…。…ここから特産品につながるのか?
「…異界に飲み込まれたのじゃ。新たな贄を探して…」
「贄って…。…生贄のことですか?」
「左用…。私がまだ九つの頃…それは起こった。ある村人が洞窟から金を持ち帰ったのじゃ…。…お主なら、どうする?」
「…独り占めしますかね」
僕がそんなことを言うと、老婆は笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!