桜の咲く頃に…

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桜の咲く頃に…

 花が咲いた頃、僕等の夢がかなった。 「この場所か…」    三月十四日、ある村で奇怪な事件が起こった。 「…神隠し?」  僕は老婆に尋ねると、老婆は嗄れた声を出しながらお茶を啜った。 「そうじゃ…。百年前に起きた事件…。あれは…今でも忘れん…」 「……」  …この婆さん、百歳以上なのか? 「この村には言い伝えがあった。この村には異界と繋がる穴があると…」 「…異界ですか?」  異世界にいける穴か…。まぁ、昔話とかで割とある設定か…。 「…お主は信じるか?」  老婆は片目を開けて、僕の目をじっと見た。 「…なんともですね。…ただ、その話が今回の話となにが関係あるんでしょうか?」  僕はこの村の特産品について聞いたのに…。…ここから特産品につながるのか? 「…異界に飲み込まれたのじゃ。新たな贄を探して…」 「贄って…。…生贄のことですか?」 「左用…。私がまだ九つの頃…それは起こった。ある村人が洞窟から金を持ち帰ったのじゃ…。…お主なら、どうする?」 「…独り占めしますかね」  僕がそんなことを言うと、老婆は笑っていた。
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