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「部屋、探してるんだろ?
条件とか聞いてやるから中へ入れよ。」
「あっ!違うんです。イヤ、違くないけど…… まだ、はっきりとは。」
「いいから中入れば?」
「…………はい」
中へ入ると誰の姿もなかった。明かりも半分が消えていた。聞けばもう営業時間も終わって、先輩は閉店準備をしていたらしい。
「えっ!?じゃあもう帰らないと。
私は特に急ぎじゃないので大丈夫ですから」
そう言って帰ろうとした私を先輩が引き止めた。
「花凛、腹へらね?メシ食い行こ。
そこでいろいろ条件とか聞いてやる。
今店閉めるから少し待ってろ」
「あ…… んもう~ ホントあの頃と全然変わってない、その強引なとこ!」
私が文句を言うと、先輩はそうか?って笑った。その笑顔は、あの頃と全然変わってなくて私が先輩を好きになった笑顔だった。
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