8月2日、午後

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8月2日、午後

 太陽がアスファルトを照り付けている。  私はそのアスファルトの上を歩いている。スニーカーの中まで熱くなっているような気がする。  額から流れる汗が止まらない。体中の毛穴から汗が噴き出している。真夏だ。  本当ならこの時間は塾に行っているはずだ。  成績急降下中の私は塾をサボっていい身分などではない。  でも、私はサボっている。 「ユカー、大丈夫ー?」  前を歩くアカネが振り向き私に声をかけた。  私は右手を挙げて無事の意志を示す。 「ユカー、もうすぐ着くよー?」  アカネの横を歩くリサも言った。二人ともなんでこの炎天下で平気な顔をしていられるんだ。  真夏の陽射しは私だけに降り注いでいるのか、  あの二人だけ着てるだけで体温が冷える服でも着ているのか、  私が単に幼い頃のような体力も根拠なき自信も失ってしまっているだけなのか、  私はとりあえず歩いた。  二人から何メートルも遅れていたけれど、歩いた。  幼い日に見たものをもう一度見るために。  先のことを考えない行動をしているのは、本当に久しぶりだ。昨日、急にこんな予定が入るなんて思いもしなかった。 「もうすぐ追いつくからー!」  私の声にアカネとリサは手を挙げて応えてくれた。私たちは幼馴染だ。今までもこれからも。
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