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水車の中で回るのは、小さな人形。
布が擦り切れ綿が飛び出しボロボロとなった人形。
小さなボロ切れのようになった人形…
『なあ、早めに帰ったほうがいいいぞ。何しろそっちの風習では…』
その時、声がかかった。
「…なあ、兄ちゃん。俺の山で何してる?」
後ろを振り向く。
…そこに、いつものようにのんびりした様子の須藤さんが立っていた。
「そっちは神さんの領域だ。入っちゃならねえよ。」
カタン コトン
水車の中で人形は回る。
須藤さんはその人形を横目で見る。
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