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カタン コトン
小川の流れる田舎道で僕は妙なものを見つけた。
水の中に置かれた小さな水車。
桶に羽をつけた程度の簡素な水車の中で、何かが回っている。
「そりゃ、衣被だよ。兄ちゃん。」
気がつけば、この辺りで農家やってる須藤さんが僕に声をかけてきた。
後手に何か布でも持っているのか水が滴っている。
「泥付きの里芋を突っ込んで中で転がすと薄皮まで取れて綺麗になる。」
それをそのまま鍋に放り込んで煮て味噌をつけると美味いそうだ。
「この辺りじゃよく見るがね。都会の兄ちゃんは初めて見るか。」
そう言って、須藤さんはケラケラと笑った。
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