お庭番の死神さん

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 適正なし。  この判を押されたのは、わたしが十回目のメンタル強化プログラムを受け、それでも大雨を降らせた日だった。このままでは下界の人間が洪水でみんな死んでしまうと、配置をかえられたの。今は死神たちの保養施設でお庭番をしているわ。自慢の鎌はだいぶ小ぶりになったけど、やっと青空を見られたわ。  半人前のわたしが仕事に出る日は、いつも雨だった。  あぁ、でもたった一度だけ、鎌で描いたみたいに綺麗な三日月を見たわ。わたしの仕事の後で、美しい夜空を見たのはあの一回きり。多分、あの時から、こうなることは決まっていたんだと思う。でも、今の仕事は気に入っているの。濃密な死の香りをまとった、無表情な死神たちしかいないけどね。
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