00.prologue

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「ジーク……」  名を呼ぶ声と共に、生暖かい呼気が耳にかかる。  ジークと呼ばれた青年は応えるように吐息を漏らし、数秒後、不意にぱちりと目を開けた。 「!」    一瞬、何が起こっているのか分からなかった。  明け方――いつものように騎士寮の一室で目を覚ましたジークは、自分が誰かに組み敷かれているのに気付いて絶句した。相手はルームメイトの男だった。
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