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「あ、ぅ……っ、……」
「唇、噛むな」
ロイはリュシーの顎に触れ、振り向かせるようにして肩越しにその口許を舐めた。
隙間ができればすぐさま舌先を滑り込ませ、絡め取ったリュシーのそれを音を立てて吸い上げる。かと思うと、呼吸すら閉じ込めるように大きく唇を被せて――その刹那、
「んっ、ぅ! ――っ!!」
ロイは片手でリュシーの腰を押さえつけると、半ば強引に自身をその中へと埋め込んだ。
塞がれた口内でくぐもった悲鳴が上がる。
それでもやっと嵩の張った部分が過ぎたくらいで、ロイはいっそうリュシーの身体を引き寄せるようにしながら、最奥を目指して隘路を割り開いていく。
「んん……っ、――!!」
引き裂かれるかのような痛みが断続的に走り抜け、たちまちリュシーの伏せられた瞼の際に大粒の涙が並んだ。それがぽろりぽろりとこぼれ落ちるのを目にして、ロイはようやく唇を離す。舌を伸ばして、その雫を毛繕いでもするかのように丁寧に舐め取ると、すり寄せるみたいにこめかみを触れ合わせ、は、と一つ息をついた。
それから、掠れた声で言う。
「リュシー……大丈夫か」
大丈夫じゃねぇよ……何が優しくしたいだよ!
当然言ってやりたかったけれど、そうするほどの余力がない。
優しくしなくていいと言ったのは自分だけれど、予想以上の衝撃だった。
うっすらと目を開けてみたら、視界は酷くぼやけていた。
「……は、ぁ……も、挿れたなら、早く、終……」
リュシーは再び目を閉じて、続く律動に備えようとする。
目を開けていたら目線の揺れ方でバレてしまうかもしれない。
さっきの衝撃に比べれば、これからされることなんて大したことではないだろう。
努めて身体の力を抜きながら、リュシーは気を取り直すようにそう切り替え――ようとしたのだが、
「いや、まだ全部入ってねぇから」
言うが早いか、ロイは改めてリュシーの腰を掴んだ。今度は両手で――これ以上ないほどがっしりと。
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