988人が本棚に入れています
本棚に追加
それぞれが寝静まった深夜――。あれからジークは、同じことを何度も繰り返していた。
だが本人にその自覚はなく、まるで普段通りに自室で就寝し、次に目を覚ました時には清々しい朝! ……という認識しかない。
頻度は不定期だったものの、それでも三日と空けず自室を抜け出していた。自身が深い眠りに就いた後、しばらくすると自らアンリの部屋に行き、襲うつもりが結果気を失うまでいいようにされているのだ。
以降は明け方、リュシーに回収されて、いつかのように後処理をされ、新しい服に着替えさせられる。その時の部屋着がいつも同じものだから、よけいに気付かないのかもしれない。
ともあれ、そうして元いたベッドに戻され、朝を迎える――その間の記憶は一切ないまま――という日々が始まって、既にひと月以上が経過していた。
そしてそれは昨夜も……。
本能のままに出すものを出し、最終的には欲するものを貰っている。
身体が軽いのも当たり前だった。
最初のコメントを投稿しよう!