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下腹部は既に張り詰めており、溢れた雫が下着を濡らしているのが、肌蹴た合わせの隙間から窺える。
腰が艶めかしく揺らめいて、強請るみたいに唇が開く。そこから覗いた舌先が、ゆっくりと誘うように動いてアンリを急かす。
「ぁ……あ……」
今夜は戒められることもなく、すぐに自由にされた両手がアンリへと伸ばされる。その指がアンリの頬に触れ、耳元へと差し込まれるのに合わせて、ナイトキャップが傍らへと滑り落ちた。
頭を掴むようにして、引き寄せようと力をこめながら、あられもなく舌を差し出し、キスをせがむ。
「……ん、……ほし、……」
僅かな逡巡の末、アンリは応えるように唇を重ねた。
絡めた舌を擦り合わせ、迷いもなく入り込んでくるそれを甘噛みしては吸い上げる。
「んっ……ん、んん……っ」
ジークは嬉しそうに瞳を細めた。
舌の根に溜まる唾液を攪拌され、上顎をひっかかれると、たちまち腰の奥に熱が集まってくる。
肌がますます赤みを帯びて、控えめだった甘い香りがたちまち濃くなっていく。とろんとしたジークの瞳が、浸るように伏せられる。こぼれた唾液が口端から伝い落ち、それが線を描く感触にすら身体が震えた。
「欲ひ……、欲し……」
口付けながらも、ジークはうわごとのように繰り返す。
一方で押し付けるように下腹部が動くその様に、アンリは唇を離し、低く囁いた。
「欲しいなら足を開け」
その言葉に、ジークはそっと目を開け、上気した目端を笑うように綻ばせながら、言われるままに自ら下肢を左右に割った。
もう出すだけでは足りないということを、身体が完全に覚えていた。
何なら口から飲む方がまだ満たされる気がするとさえ感じ始めていた。
……少なくとも、現状の――酩酊した状態のジークは素直にそれを感受している。
「誰が出していいと言った」
「あ、あぁ……っ」
口付けの間に一度達してしまったらしいジークの下着はどろどろだった。その上をアンリの指が強めに撫で下ろす。
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