20.束の間の

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20.束の間の

 何度も(そそ)がれた熱に溺れて、空が白んできた頃にようやく戒め(リボン)が解かれた。そうして、堰を切ったように白濁を(ほとばし)らせたところで、ぷつりと記憶が途切れている。  ただし、薬の効果もあるのだろう。それまでの――薬を飲まされ、覚醒してのことは信じられないくらい鮮明に覚えていた。
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