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「っあ、あ……!」
しばらく色ごとから遠ざかっていたせいか、あるいはジークの特性ゆえか、そのまま軽く圧迫されるだけで容易く射精感が込み上げてくる。カヤは振り払うように首を振り、再度肩へと残していた片手でジークを押した。
「だめ、だよっ……、ジーク!」
「だめじゃないです、大丈夫……俺がちゃんとしますから」
「そういう問題じゃなくて……!」
大体、何が大丈夫で何をちゃんとするというのか?
頭の中でぐるぐると考えながら、より腕を突っ張ろうとしてみるものの、やはりジークの体はびくともしない。それどころか、そんなやりとりすら嬉しいみたいに相好を崩される。
「……ねぇ、カヤ先生」
聞いたことのないような甘い声で名を呼ばれ、その手が隆起した形をなぞるように上下する。窮屈になった下着の中で、こぼれる先走りが微かな音を立て始める。さすがにカヤも羞恥を覚える。
「あ、っも、だめだ、って……!」
ジークの服を掴む手に力がこもる。
これも種族特性というやつなのか、それともアンリと重ねた情事の影響か、焦らすようでいて的確に追い上げてくるその動きはあっという間にカヤの思考を塗り潰し、
「や、ぁ、あ……!!」
ほどなくしてカヤは引き攣ったように腰を震わせ、ジークの思惑通りに吐精していた。
「あ……もったいない」
はぁはぁと息を乱すカヤの上で、察したジークがぽつりと呟く。かと思うとその手が更に下へと伸ばされ、法衣の裾の中と潜る。
「え……、あ、待って、待ってジーク……っ」
いまだ去らない余韻の中、なんとか制しようとするカヤにも構わず、躊躇うことなく捲りあげられる法衣が肌の上を滑る。かすかな衣擦れの音と共に、日に焼けていない下肢をあらわにされたのち、まもなくその境界が濡れた下腹部へと迫り――。
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