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ノエルの手が胸元から腰へと降りていく。緩みかけていた寝衣の帯を解き、合わせを開く。先走りに濡れた下着に手をかけると、ジークが待っていたように腰を浮かせた。
晒されていく下腹部から布地へと細い糸が伸びる。ふつりと途切れた粘液が、根元へ、奥へと伝い落ちていく。それを追うように、ノエルの指があわいを辿る。
「あ、ぁっ……」
「……なるほど」
まもなく探り当てた窪みはしとどに濡れていた。まだ何の準備もしていないはずのそこは、けれども十分に柔らかく、僅かに指先を動かすだけで、泥濘が食むように収縮する。大して力を入れなくとも簡単に綻び、環を開き、ノエルの長い指がそのまま奥へと飲み込まれていく。
ジークの身体が火照るにつれて、部屋を満たす香りがますます濃くなっていた。
「んっ……、はや、く……っ」
ジークが片膝をゆるりと持ち上げる。濡れてひくつくあわいがあらわになる。
ノエルは無意識に喉を鳴らした。
指を増やして隘路を開けば、きゅうきゅうと懐くように内壁が収縮する。あるいはそれでは足りないとでも言うように。
「ノエ、ル……も、挿れ……」
ジークが濡れた瞳でとろんと見上げる。ノエルの眼下で、色を増した夜空色が誘うように細められる。
「……せっかちな子だ」
「ん、ん……っ、はやく、欲し……」
「本当に良いんだね……?」
吐息混じりに落とされた声が僅かに掠れる。ジークが急かすように頷くと、ノエルはゆっくりと指を引き抜き、立てられていた膝裏へと手を差し入れた。
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