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「あ、待っ……あぁっ、あ……!」
ノエルがゆっくりと腰を引き、奥へと戻すたびに少しずつ繋がりが深くなっていく。きついほどの締め付けの中、ジークの負担を気にしながらも抽挿を重ねたノエルは、なんとか辿り着いた行き止まりに先端を押し付ける。
「あ、や……っ、深っ……」
ジークはノエルの首に腕を絡め、縋るように力をこめた。胎の奥までぎちぎちに満たされる違和感と圧迫感に息が詰まる。苦しい。なのに知らず腰が揺れてしまうのを止められない。だって気持ちいいのだ。こんなにも。苦しいのは確かなのに、それすら甘い愉悦に塗り替えられる。
「……っ、……これ以上は挿れないから、少しだけ許しておくれ」
言うなり、それまで気遣うようだったノエルの所作が幾分自分本位なものになる。ぱちゅぱちゅとあられもない音を響かせながら、胎の奥を何度も突かれる。言葉のわりに乱暴な動きではないものの、ノエルのそれは中を満たしているだけで堪らない心地にさせるのだ。律動につれて押し出されるように精液が溢れ、充血した襞を擦られるだけでちかちかと視界に星が飛ぶ。
「ふ、……」
緩んでこぼれたノエルの髪が、ジークの粟立つ肌を撫でる。最奥へと埋め込んだままの屹立が脈打ち、突き上げる速度が上がっていく。
「あぁ゙……っ、あ゙、も、だめ……っ、――!!」
ジークはノエルの肩口に顔を押し付け、堪えきれず歯を立てた。加減もできずに強く噛み締め、隘路をより引き絞らせると、一拍後にはぷし、と水様の飛沫を散らす。それを待っていたように、ノエルもまた最奥へと熱を放った。
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