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蓮くんの事情
「奈美に話した。一緒に暮らし始めた葵の妹、すっげ～、可愛いって」
「そしたら？」
「奈美、めっちゃ、不機嫌になって」
でしょうねぇ。私が奈美さんの立場でもそうなるわ。
「根掘り葉掘り、聞いてきた。でもさ、僕ら、そんなに会ってから時間たってないじゃん？あんまり陽葵のこと知らなくてさ」
「で？」
「奈美、私とその子、どっちが可愛い？どっちと住みたい？って聞かれたから」
「から？」
「陽葵が大事だから、陽葵と住みたいって答えた」
「はい？奈美さんのことが好きなんではなかったの？」
「なんか、ぎゃんぎゃん、うるさく言われてさ、嫌になっちゃったっつうか。好きだったはずなんだけどな～。あ～。陽葵ちゃん、僕っていいかげん？」
「・・・出逢ってすぐに私のことを好きになってくれたんですか？」
「うん。彼女いるのに・・・と思いつつ、一目惚れ。それに、妹みたいで可愛くて・・・こんなことがなかったら、気持ち隠して、『兄貴』でいようと思ってた」
わたしは、一度、深呼吸して言った。
「私も、蓮くんが好きです。初めて会った時から。でも、彼女いる人だし、と思って・・・奈美さんは納得したんですか？」
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