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やばっ、もろタイプ!?
2日後。その日は日曜日でそれでも2人でいられる最後の日、と言うことで早起きして朝食を一緒に摂っていた。
「何時の便だっけ?」
私が尋ねる
「ん~とね、17時くらい。見送りは来なくていいよ、切なくなるから。10時くらいに蓮が来るから、そしたら行くね」
「そっかぁ。蓮さん、どんな人かなぁ」
ふふっ、とお姉ちゃんが微笑って言った。
「私とうまく行くんだから、陽葵ともきっと相性ばっちりだよ。優しいし、すっごく頼りになる人だから、私の代わりと思ってね」
「ミラノに着いたら、メッセージちょうだい。空港には拓巳さん、迎えに来るんでしょう?よろしく伝えてね」
お姉ちゃんと一緒にいるときの、拓巳さんのあの優しい眼差しを思い出す。ミラノ赴任は2人の新しいスタートなんだろう。
「うん、もちろん。夏休みや冬休みは必ず拓巳と2人で遊びに来るから。夏休みなんて、ホントすぐよ」
私を力づけるようにお姉ちゃんが言う。そうだね、8月になったらまた会えるんだ。
しばらくすると、呼び鈴が鳴った。時刻は9時少し過ぎ。
「は~い」
私が答えると、インターフォンの向こうから低い男の人の声が返ってきた。
「今日からお世話になる、葵さんの友人の木村です。まだ葵さんがいるうちに、と早めに来ましたが、大丈夫でしょうか?」
「はい・・・今、開けますね」
私は、玄関に急いだ。どんな人だろう?ドキドキする。
「お待たせしました。」
ドアを開くと、背丈180㎝くらいの、大きめの目に薄茶の髪の・・・うあ。やばいっ、超イケメン、ってわけじゃないけど、私の好みドンピシャリだ。顔が赤くなっていくのを感じる。
「君が陽葵ちゃん?これから、よろしく」
眩しい笑顔で握手を求められる。くっきりした瞳に見つめられてドキドキが止まらない。慌てて、右手を出して大きくて温かい手に包まれる。やだ、もう、私、夢見心地!
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