ごめん、実

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ごめん、実

「はよ~。ん~、眠い。元気ぃ?」 「あぁ、実。おはよう!実は、ちょっとしたニュースがあってね」 「何、何?」 とくいつく実。 「お姉ちゃんが、急にミラノ赴任になって、新しいルームメイトが来た」 「へぇ・・・どんな人?」 実は、興味津々だ。 「お姉ちゃんの親友の、男の人よ。でも、彼女いるか…」 「男だって!」 私の言葉にかぶさるように実は言った。相当、驚いたみたいだ。 「そろそろ、1限目、実務英語よ?」 つとめて明るく言う。授業中、ずっと後ろからの実の視線を感じていた。だから、実が 「昼休み、屋上に来てほしい」 と言ったとき、さほど驚かなかった。 昼休み――屋上 「陽葵・・・君がそいつのことをどう思っているか分からない。けど、俺、陽葵のことがずっと好きだったんだ」 ふわりと抱きしめられたその腕から、するりと逃げ出した。 「ごめん・・・実も大空も私の大切な友達だよ。でも、それ以上には考えられない」 実が青空を仰いだ。 「そっか・・・あ~、そっかぁぁぁ」 「ごめん・・・」 「今の告白、なしな。今まで通り、俺と陽葵と大空と雪乃、仲良し4人組で」 実の声が震えていた。 「先に行ってくれ・・・俺は少し、頭を冷やす」 「分かった」 ごめん、実。実のこと、ちょっと好きだったよ。でも、やっぱり私、蓮くんのこと好きになりかけてる。自分に嘘はつけないや。
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