私の隣の席の瀬川君は残念なイケメンです。2

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 カップルが行き交う駅前広場で、私は三度目のため息をついた。  なんで私が文化祭実行委員なんて面倒な役職をやらされなきゃいけないんだろう。なんでわざわざ休日の午後を潰して教室を飾るパーティーグッズを買いに行かされたりしてるんだろう。  思い浮かぶのは、二週間前の実行委員を決めるクラス会議でじゃんけんに負けた場面だ。  あの時グーじゃなくてチョキを出していればこんなことにはならなかったのに。今になってもまだ悔しさがこみ上げる。  だがもっと無念だったのは、もう一人の実行委員があの男に決まった時だ。  私の隣の席の瀬川君。  彼の都合で、今日の私の休みが奪われることになったのだから。
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