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「やーごめんごめん、待った?」
同年代の男の声に振り向けば、全然知らない男の子が私の隣に立っていた女の子に声をかけていた。
「もう、約束より5分遅れてる〜」
「ごめんごめん、なんか奢るから許して」
5分程度でぶつくさ言ってんじゃねえよ、こちとらここでもう30分待たされてんだよクソが! 爽やかな秋の日の貴重な午後の30分、無駄に潰されてんだよバカヤロウ!
……なんて、ついつい心の声まで荒んでくる。
なんで瀬川君は遅れているんだろう。自分からこの時間を指定しておいて、遅れてくるなんてありえない。
瀬川君の顔を見たら、マーライオンのごとく口から大量の文句が放出されてしまいそうだ。スマホを取り出してまた時間を確認した。その時だった。
「あれえ? 長谷川さんじゃなあい?」
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