私の隣の席の瀬川君は残念なイケメンです。2

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 突然、さっきのカップルの女子の方が私に声をかけてきた。びっくりして彼女を見ると、 「やっぱりそうだ、私よ私。中学の時同じクラスだった萩原よし子」  とハイテンションに距離を詰められた。 「あー、そういえば」  見覚えがある。中学の制服を着た彼女の顔が、現在の彼女の顔にオーバーラップする。髪はこんなに長くて茶色ではなく、化粧もしてなくてもっと地味だったけど、左目の下のホクロの位置が変わっていなかった。 「久しぶり! 元気だったあ?」  よし子はハグでもしてきそうな勢いだけど、私たちはそれほど仲良くしていた訳でもない。せいぜい顔見知り程度の付き合いだったと記憶している。なぜなら。 「やだあ、偶然だね! あっ、この人? 私の彼氏。付き合ってまだ二ヶ月なんだー。超ラブラブって感じ」  この通り、彼女は殺人級にウザい。  いや、聞いてねえし。お前らが何ヶ月目とかどうでもいいし。
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