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俺は時間にルーズな人間が嫌いだ。
そして俺はルールを守る男だ。
まずなにかを購入した時は取り扱い説明書を隅々まで読み込み正確さを求める男。
今日は仕事が正念場を迎えてしまい、いつもは自炊をするのだが明日の出勤時間を考えるとそんな暇もなく帰りにコンビニで海藻サラダ、筑前煮、カップヌードルこってり豚骨新発売、ミルクレープを購入。
身支度を済ませテレビを付け、ヤカンでお湯を沸かし、座卓に腰掛け調理方法を確認準備万端だ。
「この新発売は五分なのか…」
そう1人暮らしの独り言を言ってタイマーをセットお湯を注ぐ。
「よし。」
お湯を注ぎ終わり「スタート」
俺の計算では海藻サラダを食べ終えて筑前煮を2,3口食べている間に五分経過する筈。
「いただきます。」手を合わせまずはやはり海藻サラダに手を伸ばした。
サラダも中盤に差し掛かることに猛烈な便意に気づく。
正座していた足をモゾモゾとし始めた。
脳内会話→(待ってくれあと二分半で新商品のカップヌードルこってり豚骨がベストタイミングなのだ。どうして俺はもうお湯を注いでしまったんだ!?)
足をモゾモゾした解あってか便意が遠退くこのすきにと言わんばかりのに海藻サラダを平らげた。
「後30秒」
そう言って筑前煮に手を伸ばした時忘れかけていた便意第二波
「うおぉぉぉーー」
脳内会話→(最初の一口だけでもどうしても食べたい。何故ならそれが俺の流儀だ!正確さこそが美学!!)
もう誰もいないので格好など気にせずお尻に手で圧をかける。
テーブルのタイマーを凝視あるのみだ!
脳内会話→(早く!早く!早く!)
タイマーは10,9,8,
「7,6,5うっ…」
ガタガタドタタッドス
「イテッ」
トイレの引戸に足をぶつける。
キチンと並べられたスリッパを蹴飛ばしいつもなら一枚一枚丁寧に下ろすズボンとパンツを一気に下ろし便座に座ると同時にタイマーは鳴り響き、俺のお尻も鳴り響く。
俺はルールを守る男。
新商品カップヌードルこってり豚骨を犠牲にしトイレと己の羞恥心を5分ぴったりに守り抜いた男。
「今日も完璧だっ。」
「うっ」
¥#:/-*. .@お尻の音を響かせながら俺の完璧にトイレの中酔いしれた。
勿論止めることの出来なかった5分設定のタイマーが鳴り響くなかで。
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