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「……そんなカップラーメンみたいなお姫様やだよ」
ナナ!? そのセリフ、あの時の……ほんとは覚えてたのか!?
「そんなに一緒にいたかったなら、早く言ってよね。パパ一度もアパート来ないし、ナナにあんまり関心ないのかと思ってた。5分だけなんて言わなくてもさ、ナナはずっとパパの娘なんだから。これからはもっとパパに会いに来るよ」
ナナがパパに! もっと会いに来る! だってー!?
「寝たふりして、いい子してパパのキス待ってたみたいに、パパもナナのこといい子して待っててよね」
あのときのは寝たふり? そうまでして、小さいナナはパパのキスが欲しかったのか!
どうしよう。嬉しくて死んでしまいそうだ……。
「ナナ……ちゃん……」
そして僕はパタンと倒れた。喜びのあまり気を失ってしまったのだ。ってのは、うそ。本当は……
「『おお、なんと愛しいパパ。まるで眠っているようだ』とでも言うと思った? 倒れたふりしたって、キスしないからね!」
「バレたか。5分待つよ?」
「待ってもしない!!」 バタン!!
ナナは強く玄関のドアを閉めて立川へと帰っていった。
今度はパパも、ナナのアパートに行くからね!
(完)
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