05 -ZERO FIVE-

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「釈! 聞こえるか!? また依頼だ。今近くにいるのは君だけだ。一仕事終えた後に申し訳ないが、まだ行けそうなら行ってほしい!」  と、ちょうどその時、インカムのイヤホンに本部の土井からそんな連絡が入った。 「ああ、大丈夫だ。店は近くなんだな? すぐ向うんでそっちでナビをしてくれ」  正直、今のミッションで脚にも心肺機能にも疲労は溜まっているが、今度の任務(※宅配)も俺にしかできない代物のようだ。  俺はインカムにそう答えると、気持ちを切り替えて颯爽とバイクを漕ぎ出した。  俺はMTE――(めし)テロイーツのエージェント(※アルバイト契約社員)釈春矢。真の仕事人だ。  外出自粛が求められる昨今のご時世、俺達の仕事はますます重要度を増してきている……この街の経済と宅配サービスは、命に代えてもこの俺が守ってやる!  次の制限時間まであと00:05:00……。                                                         (05 -ZERO FIVE- 了)
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