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▶︎ 女神降臨!?
目が覚める
目の前には先ほどまでの交差点の風景ではなく
見渡す限りの草原と長いこと見ていなかった旧く澄んだ夜空だった
草原で目を覚まして、死んだ事実や異世界転生の事実を徐々に受け入れている時、気付いた
(胸がある・・・)
男子高校生だった俺の身体は細いながらも確かに筋肉がつき、背も平均よりも少し高いほどだったのだが
いま見えているのは白く細い腕、太ってはいないのに触れれば柔らかい体、胸は明らかに膨らんでおり、自身の体が男子高校生のものから女性のものへと変わったことに疑いようがなかった
悲しい気持ちのほうが大きいが僅かに久しぶりの女性の身体に嬉しさを感じ、複雑な気分である
・・・
「いるんだろ」
自分しかいない草原の中、放った言葉に反応するように先程から夜空に輝く星の光が徐々に落ちてくる
流れ星が自分に降ってくるという幻想的な表現は現実的に考えれば隕石がこちらに向かっている状態のことなので危険なのだろう・・・
だけど俺は〈この世界〉での流れ星の正体を知っているので隕石に潰されて死ぬなんて、そんな物理的な恐怖は一切感じてはいなかった
星の光が自分の前で止まり、空中に浮かんでいる
次第に光は水のように形を変え、一人の少女の姿となった。
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