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ああ流される。三時のオヤツを食べ損ねた俺の体は敏感も敏感で疼きまくって止まらない。
あれよあれよと客間に連れ込まれ敷きっぱなしの布団に縺れ込まれ、頭から食われる勢いで揉みくちゃにされる。じんわりと湿った黒い肌がどんどん熱を帯びて長い手足が全身に絡みついて─────
「ぁ……やだ……そこだめ……」
「昨日いっぱいしたからまだ柔らかいねえ」
「アッ………」
記憶が所々で繋がる。巻き戻る。この手が、指が、こうして俺の中を掻き回している間も、もう二本の腕と10本の指が、もうひとつの唇がもう二つの目が、俺を捉えて離さなかった。背中から抱きしめてたくさんキスをくれた。
足りない。
ひとつの顔と二本の腕、十本の指じゃ足りない。唇も脚も声も、ひとり分じゃ足りない。足りてない。
「可愛いねえてっちゃん」
「んんんー!」
「俺ひとりだと物足りないって顔してる」
「ダッテ……ズルイ……アホ……」
こんな甘いセックスは一人だけでも胸やけしそうなのに。揺れる体を支えてくれないと寂しい。バランスがおかしい。困る。投げ出した上半身が冷えて頼りなくて─────
「こらあっ!!ソラてめえ!!」
スパーン!と勢いよく開いた障子。
縁側からドカドカ上がり込んで来た方がソラと呼ぶなら、今この俺の中に居るち◯ち◯はソラのなんだな。こんな局部的なとこまでおんなじ形しやがって。
「抜け駆けナシって言ったろうが!抜け、今すぐてっちゃんを解放しろっ!」
「え〜〜〜無理だし。ねぇてっちゃん、気持ちいいねえ」
「あぁんっっ激し……」
「てっちゃんもナニ簡単に流されてんだああっ……」
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