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   さては酔わせたなとかリクは煩い。酔ってない。素面だわ。だけどお前らの声が、匂いが、温度が心地良すぎて。ビールより梅酒よりずっとずっと酔っ払わせる。 「リク………」  ソラに揺らされながらリクに向かって手を伸ばす。リクはそろそろとその手を掴んで頬に押し当てた。走って来たのかなあ。いや、暑いせいだよなあ。  汗で湿った頬も掌も、じんじんするほど熱い。口の中はもっと熱い。指の一本一本から手首へ肩へ首筋へ、リクの唇と舌が這い回って熱い。 「どっちか一人としかしないって言ったくせに……エロい大人になっちゃって」 「だって……選べない……」  リクかソラか、どっちか片方だけなんて寂しい。選べないから選ばないつもりだったのにそれは認めてくれないし。だったらもう、二人とも俺のもんにするしかない。 「俺とソラでてっちゃん “半分こ” にしていいの?」 「いいよもう……ヤケクソだわ」  ちゅっちゅっとリクにキスするとソラが拗ねる。でもお前は下半身で我慢しろ。“半分こ”の仕方にも依るだろうが、現状これがベストで間違いないんだから。 「あー………てっちゃん可愛いねえ」 「ん……トロトロのドロドロな気がする……」 「大丈夫、液状化してもてっちゃんは可愛いから」 「「大好き」」  可愛いと大好きが百万回降って来る。  ぎゅうぎゅう詰めで罪悪感も背徳感も押し流す。  マジで流されやすい自覚はあるけど、それももういいや。  二人掛かりで抱き潰してくれ。  
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