214人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
さては酔わせたなとかリクは煩い。酔ってない。素面だわ。だけどお前らの声が、匂いが、温度が心地良すぎて。ビールより梅酒よりずっとずっと酔っ払わせる。
「リク………」
ソラに揺らされながらリクに向かって手を伸ばす。リクはそろそろとその手を掴んで頬に押し当てた。走って来たのかなあ。いや、暑いせいだよなあ。
汗で湿った頬も掌も、じんじんするほど熱い。口の中はもっと熱い。指の一本一本から手首へ肩へ首筋へ、リクの唇と舌が這い回って熱い。
「どっちか一人としかしないって言ったくせに……エロい大人になっちゃって」
「だって……選べない……」
リクかソラか、どっちか片方だけなんて寂しい。選べないから選ばないつもりだったのにそれは認めてくれないし。だったらもう、二人とも俺のもんにするしかない。
「俺とソラでてっちゃん “半分こ” にしていいの?」
「いいよもう……ヤケクソだわ」
ちゅっちゅっとリクにキスするとソラが拗ねる。でもお前は下半身で我慢しろ。“半分こ”の仕方にも依るだろうが、現状これがベストで間違いないんだから。
「あー………てっちゃん可愛いねえ」
「ん……トロトロのドロドロな気がする……」
「大丈夫、液状化してもてっちゃんは可愛いから」
「「大好き」」
可愛いと大好きが百万回降って来る。
ぎゅうぎゅう詰めで罪悪感も背徳感も押し流す。
マジで流されやすい自覚はあるけど、それももういいや。
二人掛かりで抱き潰してくれ。
最初のコメントを投稿しよう!