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「ケツに感覚がないい………腰が怠いい………」
「てっちゃん酔ってても素面でも普通にエロいからねえ………」
「俺が悪いのかっ………」
「「悪くない悪くない」」
右側のリクはせっせと巨峰の皮を剥いて俺の口に運び、左側のソラは攣りそうになった脹脛をせっせと揉む。
俺はと言うと布団に大の字で、ちっちゃいフォークでリクが器用に皮を剥くのをぼーっと見ている。
「巨峰ってそんな剥き方すんだなあ……」
「スナックのねーちゃんがやってたー」
「スナックう?」
「てっちゃんの同級生にアヤカっていただろ?あのヒト今スナックのママやっててさー。オトンが入り浸って俺らも連れて行きたがるからー」
あやか……顔は思い浮かばないが聞き覚えがあるような無いような。キャバクラでもガールズバーでもなくスナックな所は趣きがあって好きだが。
「もう女の子の居る店禁止」
「「え」」
「文句あんのか」
「「無いです」」
さてどうしたもんだか。
自宅までは電車を乗り継いで約二時間。結構な距離だ。リモートワーク申請するのが妥当か……これまではリョーマと離れる事を含め全く選択肢になかったけど。
「てっちゃんこっち帰って来てくれんの!?」
「俺らの為に!?」
「調子乗んな、自分の為だわ」
双子の目は爛々と輝き期待に満ち溢れている。そんな事できゅうんとする自分の現金さがアレだが、俺はもう開き直った。大型犬二頭と尽くし尽くされの甘々エロエロ人生を謳歌してやる。
タオルケットの左右に潜り込んで来てゴロゴロする二人の髪をワシワシと撫で、交互にキスを落とすと二つの頭が同時に上がった。
「てっちゃん……!」
「なんだっ。なんでそんなにウルウルなんだっ」
「だって嬉しい、夢が叶う。てっちゃんと俺らの三人でずっと一緒に居たかった」
「そんな日、絶対来ないって思ってた」
「阿呆。志はもっと大きく持て」
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