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「「それでてっちゃん、どっち連れてくか決めた?」」
「ブフ」
素麺を吹き出しそうになったのを堪えたら生姜が変なところに入った。誤嚥で死亡するんじゃないかってくらい噎せていたら一人が背中を摩り一人が水を飲ませてくれ、介護されている気分になる。
いや待て何の話だ。どっちか連れてく?リクとソラのどっちかを?そんな話は聞いてない。
「あーあー、白Tがまだらに茶色に」
「洗濯するから脱いでてっちゃん」
大型犬二頭は纏わり付くように俺の視界を頭上から遮り服を剥ぎ取る。そして一人が体や顔をタオルで拭いて一人が洗面所へ向かう。単品で見るとリクかソラか瞬時にはわからんが、目の前にいるのは多分リクだ。旋毛の作用で前髪の分け目が右寄りだ。
「てっちゃんのお肌すべすべ♡」
「……………」
「チクビがハの字についてて可愛いねー♡」
「(やめろソレは俺のコンプレックスだ)」
昨夜は二人から左右同時に舐められてそれこそ死亡するんじゃないかと思った。刺激が強過ぎて頭が真っ白になって──────
『てっちゃん気持ちいい?』
『てっちゃん可愛い、大好き』
フワフワと漂うように流れに身を任せ、快感だけを貪っていた記憶が鮮明に残っている。肌にも髪にもくっきり残っている。でも、自分が何を言ったのかは思い出せん。
「………あの、リク」
「残念でしたー。俺ソラだよー♡」
旋毛で見分けるのは無理があったか。いっそ髪をピンクとブルーに染めるとかしてくれ。キキララみたいで可愛いと思うぞ。
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