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悪戯っぽい上目遣いのソラはちゅっとキスして来るが。うん、この感触も唇がしっかり覚えている。髪をそろそろ撫でてみると、これも陽に焼けて少々ゴワついた男臭い感触を覚えてしまっている。
「てっちゃん………」
「固いチチを揉むな」
「だって………」
すると俺の背後からぬっと出て来た手がソラの頭を叩いた。「席離した隙に抜け駆けで襲うんじゃねえ!」ってリクの声が降ってくる。
「だってー!!」
「てっちゃんも!俺が居ない隙に抜け駆けされないで!!」
煩い奴らだ。取り敢えず素麺食おう。つゆが跳ねたらまた剥かれる可能性があるから先に食っちまって、シャワーして脳内をさっぱりさせて、話はそれからだ。
「椎茸うまー……」
「オカンの煮物、てっちゃん昔から好きねー」
俺が18でこの家を出るまで、三日に二日は一緒に飯を食っていた気がする。一人っ子鍵っ子の俺にとってこいつらは弟みたいなもんで……可愛いとは思っていた。間違いなく思っていた。
同じ無邪気な顔で見つめるせいか気不味さは然程ないのが不思議ではあるが『やっちまった感』はたっぷりある。
あーあ。
いくら男大好きなバリネコの俺でも、家族とセックスすんのは人としてイカンよなあ。
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