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爆破時刻まで4分30秒。自己PRをスタートしてから約2分。スタート当初は8分45秒あった。本来なら6分45秒のはずだ。
だが、油断という気の緩みが爆破の時刻を早めた。
僕は、剣道の試合の時に先生に良く言われていた。「一本取ったからといって油断するな。」試合は5分間の中で二本を取ったものが勝者となる。
気のゆるみと安心感が出た時に相手への警戒心が薄くなる。
頭には時刻が小刻みに悪魔のごとく時間が流れ出す。考えると自己PRが終わるまで後3分。
仮に面接終了後、1分30秒の時間が残される。いや正式にはわからない。自己PR後何か話をされるかもしれない。そうなるとタイムリミットがこのまま来てしまう。
非常にまずい。考えたくはないが考えてしまう。なにか対策を考えなければ、自己PRを続けながら、頭で考えだす。
とっその時、痛みだけでなく、お尻付近が膨れだすのを感じ。僕は深呼吸をした。
ギリギリセーフ。
表情はもはや爽やかを保つことは出来ず、顔が固くなったのを周りの面接官の表情から悟った。
だがしかし、思わぬ幸運が訪れた。爆破の時刻が30秒延びたのだ。
なんと深呼吸するとお腹の痛みも少しではあるがやわらいだ。
先生に言われた言葉を思い出す。「相手が強くて窮地にたたされた時、諦めなければ相手との対応策は諦めない限り見つかる。」と言われた。
今まさに自分は窮地にたたされ、危なかった。
僕は、声の大きさと表情を意識しながら、焦らず冷静に話し。先ほどとは違い話の最中に一瞬の間を置き、浅く深呼吸をした。
これでやり過ごせると安心感がよぎった。
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