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男は……
「可哀想よねぇ、こんなことになるなんてね」
『ホントよ、30年近く引きこもっていた息子に、刺し殺されたんでしょ?お気の毒よね』
「何十年も面倒見てもらった親を殺すなんてね……」
隣人たちは噂話に花を咲かせた。
男は警察署の取調室にいた。
「じゃあ、なんで逃げたんだ?お前がやったんだろ」
「違う!違う!!俺は……俺じゃない!!」
「だが、刃物からはお前の指紋が。現場にもお前の足跡しかない」
「何十年も面倒見てくれたかぁちゃんを殺しちまうなんて、親不孝者だ!」
刑事たちに詰め寄られ、男はどうすることも出来なかった。
(なぜ俺の指紋が……外と断絶した報いか。)
男は抵抗するのをやめた。
そして男は黙秘したまま、判決が下された。
男は……死刑
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