私はわたし

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「夏目さん」 イクは呼ばれていることに気づかなかった。なんせ今し方、振られてたばかりである。lineで。 「...夏目さん?」 呼び続ける方も中々振り向いてくれないので困惑している。そこにイクの友達の桜田菜穂が教室に入ってきた。イクの後ろでオロオロしている人を見つけ声をかけた。 「どうしたの?イクに用事?」 声をかけていたその人は驚いて振り向く。イクが気づいてくれないので菜穂に託すことにした。 「あ、あの。飯塚くんからの伝言で...」 そこまで言い終わらないうちにイクが反応した。 「飯塚くんがどうしたの!?」 飯塚くんはイクの(今し方別れた)元カレである。 今にも押し倒しそうな勢いで腕を掴んだイクに対し、怯えながら... 「あ、きょ、今日の待ち合わせは...なしということで...では、伝えました。」 伝えることは伝え、すぐに帰って行ってしまった。 伝えてくれた人の背中を見ながら...「もう、別れましたけどぉ...」と、涙を流すイク。 「え?どゆこと!?昨日付き合ったばっかりじゃん!!!」 と、隣で目を丸くする菜穂がいた。
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