未来の夏。

　夏は暑い。それは日本で昔から決まっているモノ、いわば常識である。

　日本には四季があり、「春夏秋冬」と順を巡って気温が変化する。
　その中で気温が最も高くなる季節が、夏。反対に最も低くなるのが冬だ。この二つの季節は気温の変化が顕著な為、とても分かり易い。
　残る春と秋は、それぞれ後にやってくる季節の準備期間とでも言えばいいだろうか。冬から夏に変わり、どんどん暖かくなってくる季節が春。夏から冬に変わり寒くなってくる季節が秋。厳密に言うと違うかもしれないが、大体はそんな感じで合ってると思う。

　私は、その季節の中でも夏が結構好きだ。

　一番の理由は単純で、ただ息をしているだけで「生きていることを実感できるから」だ。

　夏は暑い。だから、何もしなくても汗をかく。それが鬱陶しくも感じるけれど、生きていると実感できる。
　だって、春も、秋も、冬も座っているだけでは汗をかけない。夏だけは暑いから、生きるために体が勝手に体温調整をしようとして汗をかく。クーラーが効いた部屋なんかは例外だけど、何もしなくても汗をかくから私は夏が好きだ。