未来の夏。

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 目的の駅に着いた私たちは、山を目指して歩き始めた。途中のコンビニでアイスを買って、行儀悪く食べ歩きしながら向かう。夏の定番であり、お財布にも優しいガリガリするアイスを食べながら「夏だなー」と感じた。  そうしている内に、私達は山に着いていた。ここにくるまでに体力を奪われていたので、お互いに何も言わずとも近場の水浴びスポットに行っていた。  そこら辺に二人まとめて鞄を置いて、彼は制服を脱いで何故か持っていた体操服に着替えた。私は着替えを持ってきていなかった為、靴下だけを脱いで川に足をつけた。  水が、冷たい。  氷水に美雨を浸したときのキーンと肌に刺さるような嫌な冷たさでは無く、温くて温泉に入っている気分になる水でもない。  肌にスッと入っていく心地の良い冷たさだった。足しか水に入れていないにも関わらず、足からふくらはぎ、太腿から胴体へと上に冷たさ伝わっていく。  私はその冷たさを感じたくて、タオルがないとか、着替えがないとか、そう言うことを気にせずに水の中に飛び込んだ。
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